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トップの提言〜ものの考え方〜

「 人を見抜く 」(松本順)を読んで

 感想文:大阪営業所 高橋裕樹

人を見抜くには第一印象である、ということがよく言われる。

はじめて会った瞬間というのは、直感がよく働いて相手をよく見抜くことができる。相手と話しているうちに、相手の動作、態度、はったりなどにいつの間にか幻惑されてしまい、正しい判断ができなくなって、見誤ってしまうことが多い。第一印象というものが非常に大事であり、これで的確に人を見抜いていることが少なくない。

第一印象でこの男は信用ならないぞと見抜いていたのに、何回か会って話しているうちに、相手のいうことにしだいに幻惑されてしまって、すっかりだまされてしまった、ということがよくある。だから第一印象が大切なのである。だが、いつまでも、第一印象で人を的確に見抜けるなら問題はない。実際にそううまくいかないから困る。相当世慣れた人間であってもよくまちがえる。

人を見抜くことが難しいのは、相手もこちらをだまそうとかかっていたり、また、人間はなかなか本音を出そうとせず、いつもたてまえしか見せようとしないからである。このため、ついつい相手の嘘にひっかかってしまったり、たてまえに幻惑されてしまう。多くの人は、こういう心理的事実に気がつかなくて、あいつは冷たくて不親切な人間であるとか、あの人は温かくて、親切な人間だと思いこんでしまう。相手をそのようにした原因がこちらにあるということに、ちっとも気づいていない。人間を見抜くことをたいへん難しくしている。

人間同士というものは、お互い相手に影響を与え合っているものであり、どういう影響を与えるかによって、相手はそれに応じた現われ方をするから、同じ人間であっても影響の与え方がいろいろ違って見えてくるわけである。

 2023.11.29.


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