HOME › トップの提言〜ものの考え方〜 › 「 賢く生きるより、辛抱強いバカになれ 」を読んで

トップの提言〜ものの考え方〜

「 賢く生きるより、辛抱強いバカになれ 」を読んで

 感想文:福岡営業所 竹田明弘

この著書は京セラを設立した稲盛和夫氏とヒトIPS細胞の作成に成功し、ノーベル賞を受賞した山中伸弥氏の対談形式の著書です。

経営者と科学者。一見違う道を歩んでいる二人ですが、理系出身、父親は工場経営者、挫折をくりかえした半生など共通する点がありました。稲盛氏は中学での受験失敗から肺浸潤、大学を出た後も就職難を経験しています。山中氏も整形外科医を志すも手術が苦手でうまい方なら20分でできる簡単な手術に2時間もかかるなど挫折を味わい基礎研究に転身したと述べています。

この著書で印象に残ったのは最終章で述べてある「レジリエンス」という言葉です。
中山氏の柔道の先生が「レジリエンスとは、つらい出来事があったときに、しなやかに適応して生き延びる力のこと」と山中氏に教えています。たとえば東日本大震災で家族も家もなくした方が大勢いて、立ち直ることができずに自殺してしまった方もいる一方、希望を失わずに立ち上がって前向きに生きる方もいる。このときの人間に力がレジリエンスであり、そのレジリエンスは鍛えることができると述べています。そのレジリエンスの鍛え方は自分一人だけでは無理で人に感謝することによって鍛えられるといいます。
知らず知らずのうちに多くの方や物に支えられて生きている。そのことに感謝していきたいと思いました。

最後に稲盛氏の好きなイギリスの思想家ジェームズ・アレンの言葉にも「人の心は庭のようなもので、自分の庭に美しい草花の種を蒔かなかったら雑草のみが生い茂ることになる。庭を耕し、美しい草花の種を蒔き育てることで素晴らしい人生を生きることができると」述べています。
感謝の心と純粋な心で人生を素晴らしいものにしていきたいと感じました。

2023.1.30.


このページの先頭へ