ビジョンはコンプレックスを癒した姿
ビジョンとは企業の将来像であり成功のイメージである。ビジョンはお客様、取引先、社員等企業に関わる全ての関係者をワクワク・ドキドキさせてくれる。良いビジョンはゴールが良くイメージ出来て、「よし、頑張ろう」と力が湧いてくるものである必要がある。良いビジョンが作られた企業は一気にその方向へ向かって動き出せる。しかしなかなか明確ですばらしいビジョンを持った経営者にはお目にかかれない。政治家も「日本をこうする」というビジョンを示せる政治家は少ない。ビジョンは多くの人が困っており「何とかならないか」というイヤな感情をスッキリさせてくれるものでなければならない。つまり困っていない人にはビジョンは出せない。イヤでイヤでしょうがない、辛くて辛くてしょうがないからビジョンが導ける。ユングは「ビジョンはコンプレックスだ」と言っている。「私はコレだ!」と思い、多くの経営者の幼少期のカウンセリングを行い、コンプレックスと今の事業との関係を研究した。するとなんと例外なく、その経営者のコンプレックスと今行っている事業での成功するためのサービスのあり方が一致していた。更に驚くことに、そのコンプレックスを与えてくれていたのがご両親だったのである。「親孝行者でなければ立派な人にはなれない」と言われているが、多くの親が尊敬出来ない悪い点や毒を持っておられる。その毒がコンプレックスを形成してくれていた。つまり受け入れたくない親の悪い点がコンプレックスを形成させてくれて、それがその人のエネルギーとなり「そうならないための美しい世界」をビジョンとして与えてくれるのである。そう考えると、どんな親でも尊敬できる。いや、問題がある親ほど自分に厳しい試練、厳しい環境、難しい人間関係を与えてくれて、自分を成長させてくれるきっかけを与えてくれている。更に驚くのは社員も同種のコンプレックスを多かれ少なかれ持っており、お客様もそれが欲しいから買ってくださる。つまり全て類友なのである。ビジョンを見出すには自分の心の奥底の見たくない自分を見に行き、見たくない社員の悪い点を見に行き、お客様の困っている点を見に行く必要がある。イヤなことから目をそらさないことが大切である。
2010.4.7.