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トップの提言〜ものの考え方〜

ドメインをつかまねば事業はうまくいかない

 ドメインとは事業領域であり、会社が意識してその狭い領域を定めて事業を行う。あれもこれもではいけない。あれかこれかである。出来れば明確なコンセプトで単品の商品が市場をつかみ、安定的に売上が上がるのが良い。大企業は、しっかりとドメインを捉えることが出来た企業が行ける境地である。良いドメインを掴まなければ成功は得られない。魚釣りに例えると、多くの魚がいる魚群を掴まなければ釣れるわけがない。そんな簡単なことは誰でもわかっているはずなのに、多くの人がドメインを掴めていない。魚がいない所で釣りをしているか、競争が激しすぎて利益が出ない所で釣りをしている。ドメインを捉えておれば競争はあまり激しくなくて多少未熟な社員でも利益に貢献出来る。なぜ当り前のドメインが掴めていないのか。
 第一に経営者が「ドメインを捉える事を意識していない」これが最も大きな問題である。多くの人が困っており、お金を出してまでなんとかしたい不快な状態がどこでどのように発生しているかを見出そうとする意識が無い。意識が無いので見えないし、行動が出来ない。チャンスに遭遇してもそれが多くの人に存在しないかどうか調べる行動をとらない。ドメインを掴もうとしなければ事業として全員で追求する構造を作ることが出来ない。事業は単純化標準化しなければ匠の世界から脱出し、多くの社員が循環し成長する組織は作れない。
 第二は社長に意識はあっても社員にその意識が無いことである。営業マンはお客様と日々接している。社長が行っているドメインのイメージが本当に正しいのか、あるいは多少違う所に本当のドメインがあるかは第一線の社員が感じなければならない。しかし私が知る限りでは「お客様がお金を出してまでなんとかしたい不快な状態」を意識して探し、それに応えようとしている社員にはほとんどお目にかかれない。「神は細部に宿る」と言われている。現場の社員がお客様の心をつかみ、ドメインをつかむのに必要な情報を密にトップまで伝えなければベクトルは合わない。いかにお客様の不快を見出し、心地よさをいかにして与えるかに意識を集中しなければならない。

2010.4.3.


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