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トップの提言〜ものの考え方〜

人はそう簡単には変われない

 「人は変われるか」とは昔からの重要なテーマである。「三つ子の魂百まで」とか「大病を病むか監獄に入るか浪人するか」すなわち今までの地位を捨てて死 と向き合い、素の自分と向き合わなければ変われないと言われている。この事を称して心理学者の河合唯雄先生は「人が変わるのは産業革命にあたるほど画期的 なことだ」と言っている。しかし我々は誰もが当り前のごとく自分は変われると思い、夢を見てチャレンジして失敗し、それでも懲りずに変われると思い続けて いる。本当のところはどうなのであろうか。私は変われるけれどもそれはかなり難しい。自らに生きるか死ぬかのリスクを課してせざるを得ない環境に身を置け ばなんとかなるが、そうでなければ無理だと思う。なぜならば人間の意識は自ら意識出来る顕在意識はたったの約3%で、残りの97%は潜在意識なのでいわば 潜在意識に支配されているのである。潜在意識がプラスであればなんとかなるが、もしマイナスであれば自らのイメージ出来る世界の30倍の世界なので、30倍の体重の力士に押されてくるのでかなりうっちゃるのは難しい。潜在意識を塗り替える必要がある。稲盛さんは「毎日の反省で少しずつ変われ」と言ってい る。私は内圧、外圧、型をはめた習慣の変更と型をはめた思考の変更が必要だと思っている。人間の生命力はすごいので、死にそうになれば変われるのでそのよ うな環境を設定する。競争があるから頑張れる。テストに落ちたくないから勉強する。社長に怒鳴られたくないから頑張れる等外圧、内圧を変わらざるをえない ように設定し、努力せずにおれない環境を作る。また想いは実現するので、思考方法が大切である。仕事がうまくいくには、考えられるには知識がなければなら ないし、うまくいくにはプラス思考、プロセス思考、逆算思考、戦略思考などが習慣化されていなければならない。しかしほとんどの人や会社はここには手をつ けていない。トヨタはトヨタウェイといって「なぜを5回くり返す」とかA3用紙1枚に全てを表現するなどの方法論が日々の仕事の型として使わざるをえなく なっている。そういえばソニーも問題解決の技法が日々の業務に導入されている。指導待ちで考えないのは考えるための方法論が身についていないし意識されて いないからにすぎない。潜在意識というバケモノを常に意識し変わらざるをえない状態に身を置けば変われる。

2010.3.1.


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