「 ゆっくり動くと人生が変わる 」 を読んで
感想文:大阪営業所 橋本廣明
一瞬で人生を変える鍵は何ですかと聞かれたら、それはずばり「ゆっくり」だとお答えします。と筆者の順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏は語る。
話す、歩く、食べるなど様々な動作のペースを落としてゆっくり動くと心が強くなる。究極は「ゆっくりなのに早い」です。
侘び寂びなどの日本の伝統的な文化も「ゆっくり動く」ところから生まれてきたのではないか。日本の茶道や華道、能や狂言などすべて「ゆっくり」の動きからなっている。織田信長をはじめとする戦国時代の武将たちが、お茶や能を好んだのは、現代以上に過酷で究極なストレスのなかで、自分の頭と心と体をもっとも整え、落ち着ける手段として、お茶や能、経を唱え、写経することであったのではないか。心のバランスが整い、心が落ち着いた人がたてたお茶を飲むと、飲む人にも伝達します。その茶室全体がいい気で満たされます。茶碗を三回回すあの手技もゆっくり行い、心を落ち着かせています。
アスリートやスポーツ選手は、その日の体調や気持ちの持ちようでパフォーマンスはがらりと変わってきます。どの競技者にもスランプはつきものです。自分の本来持っている実力を、本番ではなぜか出せないイップスに悩まされる選手もいます。いつも自分の実力を120%発揮できる人がトップアスリートの絶対条件になります。
スポーツ選手に限らず、どんな人でも調子を整えることが、パフォーマンスに活きてきます。「今日は調子がイマイチだな、イライラするな」という朝に一瞬にしてリカバリーするのもやはり「ゆっくり動く」ことだと記しています。まずは、心を落ち着かせることから、1日をはじめたいと思います。
2019.6.29.