松下幸之助 「成功の金言365」を読んで
感想文:橋本廣明
1年間365日にわたる幸之助さんのお言葉から引用しました。
志を失わず地道な努力を続けること。およそ物事というものは、すぐにうまくいくということはめったにあるものではない。根気よく辛抱強く、地道な努力をたゆまず続けていくことによって、はじめてそれなりの成果が上がるものだという気がします。
いつも”なぜ”と問わねばならぬ。そしてその答えを自分でも考え、また他にも教えを求める、素直で私心なく、熱心で一生懸命ならば”なぜ”と問うネタは随所にある。それを見失ってはその人の進歩は止まる。社会の進歩も止まる。繁栄は”なぜ”と問うところからうまれてくるのである。
物とあわせて心をつくり、物とともに心を売り、そしてお金とともに心をいただく、つまり物や金がかよいあうだけでなく、お互いの心というものがそのあいだにかよいあうことが、きわめて大切なのです。そこに、商売の真の味わいというものがあると思います。
まわりの人や環境や物、身のまわりのすべてのおかげで生きています。すべてに感謝する心があってこそ、思いやりの心も生まれ、人の立場を尊重する行動もできる。ともに栄え、ともに幸せに生きようという道に通じるのです。
いわゆる信仰三昧というほどに仕事に打ち込む。来るお客さんは、みな神様であり仏様で自然に手を合わせて拝むというほどの心境になってお客さんを大事にする。そうすればそこには非常に大きな喜びが感じ感じられるでしょう、結果として商売が繁栄するということにもなるでしょう。
雨が降れば傘をさす。そうすれば濡れないですみます。それは天地自然の理に順応した姿で、いわば万人の常識、ごく平凡なことです。商売、経営に発展の秘訣があるとすれば、それはその平凡なことをごく当たり前にやるということに尽きるのではないか。
何事も何かにこだわっていたら、うまくいかないと思っています。だから、僕ならこういう態度でありたいですね。「鳴かずんばそれもまたよしホトトギス」つまり、自然の姿でいこうというわけです。
先日ブータン国王が来日された映像に、挨拶として人と接するにあたり、手を合わせるしぐさがあった。そこには人間の本質があり、感謝とともに人の心を和ませる、穏やかにさせる力を持っている。商売も人と人との繋がりの上に成り立っていると感じられる幸之助さんのお言葉であった。
2011.11.30