忙しい時にやりたくなるISO
ISO9001(品質マネジメントシステム)が日本に入ってきてから20年になります。日本人の仕事の仕方とは異なりますので(文書主義、トップダウン)、日本潰しの為のシステムと穿った見方もされました。しかし定着し、そこそこの会社は殆ど受け入れ、一定の効果を上げました。 しかし、最近弊害が目立つようになりました。
1.考えなくなった 2.面倒で非効率 3.目的を見失いがちになる等です。ISOは自分でルールを決めてその通りにすれば良いのですが、問題はルールの決め方がまずいので、いろいろな弊害が起こります。
つまり1.決めた通りにやればいいので、考えなくなるのです。2.ルールを出来もしないあるべき論で決めてしまう為に面倒で非効率になってしまうのです。3.出来ないルールに審査の時だけ合わせて、資格は維持しようとするので、目的を見失いがちになってしまうのです。それでは、どうしたら良いでしょうか。
答えは、「忙しい時にやりたくなるISO」が正解です。忙しくて時間が無い時に、最低限品質保持の為に行わなければならないレベルを求めるのです。すると、通常時は「そこまで下げたらプライドが許さない」ということになり、工夫して良い品質を作ろうとします。つまり「ISO通りにやろう」とはならないのです。そして、短納期で手抜きをせざるを得ない時はISO通りになります。
人間は考える存在です。折角のISOでも人間の本質を放棄させるものになってしまってはいけません。日々の日常業務は常に改良・改善に心がけ、忙しくてどうしようもない時だけISO基準に則って業務を行う。が、ISOの良い使い方でしょう。
2011.9.15.